私たちが小児クリニックに投資した2015年の頃は地下鉄の駅も整備されていなかったホーチミンシティでは当時から建設ラッシュが続いていましたが、2023年、1区から2区、ビンタン区をみてみると大きなビルやマンションが林立する都市のような趣になってきたのが分かります。
もちろん地下鉄は整備されたものの財政赤字やその他の理由により、まだ運転が行われておらず(1号線は2024年開通予定だそうです)、また商業ビルやマンションの入居率については疑問が残るところもあります。
しかし、明らかに多くの企業が事業を拡大し、給与のベースもかなり上がってきていると聞いています。若い世代が多いベトナムにおいて経済活性化が進む条件はそろっており、教育水準があがり海外からの投資や人材交流が進むなかで、ベトナムのあらゆる面での成長が進むのは間違いがありません。
いくつかの医療機関を訪問しても人間ドッグのVIP単価は日本円で30万円を超えており、繁忙期には1ヶ月待ちの利用者がいるとの話を聞くと、徐々にではありますが富裕層の厚みができていることも実感しますし、ビンタン区の開発地域に林立する戸建て住宅が5億円と聞くと私たちには創造できない世界が生まれていることを認識せざるを得ません。
間違いなく今後10年、20年と経過するなかでベトナムはさらに進歩し続け、先進国の仲間入りをすることも夢ではないと確信しています。
ただ、現地の医師がいうようにまだまだ医療を支えるインフラは未整備だし医療従事者の層は薄く、海外の支援は受けているものの日本と同じレベルに到達するには時間がかかりそうです。
介護についても徐々に高齢者が増加するなかで支援システムが確立するまでには多くの時間が必要となるでしょう。
私たちヘルスケアアジアが貢献できる余地は十分に残されており、多くの日越関係者ととものに新しい価値を生むための活動を進めていきたいと考えています。(文責:石井友二)
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