CEO挨拶

日本の医療は国民皆保険制度に支えられ、日本国民は廉価で質の高い医療を享受してきました。また、先進国に先駆けて少子高齢化の波に洗われた日本においては介護保険制度が充実し、欧米にない介護の形をつくりあげ国民の効用を高めてきました。思いやりや人のために何かをするという日本人の気質に支えられた医療介護は、日本独自の形をもって進歩してきたのです。

アジアにおける医療は、主に欧米や自国で学んだ多くの医療従事者により、日本とは異なる形で運営されています。アジアの一部の国では提供システムは異なるものの、日本の医療と同等、もしくはそれ以上の進化を遂げ、それぞれの国民の健康管理に貢献しています。

そのようななかASEAN(東南アジア諸国連合)にあるいくつかの国を訪問すると、日本に対する思いや規律正しい日本の医療や介護に対する信頼を感じることが多くあります。日本の医療や介護のきめの細かさや日本の強みを活かした医療や介護が求められていることも事実です。しかし、日本人は日本という国のなかだけで経済が成立してきたことや島国であること、また言語の違いから、距離の近いASEANに目を向けてこなかった歴史があります。

一方で、日本の介護は少子高齢化により、2040年には100万人の医療介護人材が不足するといわれており、ASEANの複数の国から人材を確保していかなければならない状況にあります。介護においては既に多くの外国人人材が働いていますが、医療においても看護師不足があり、いくつかの病院では資格を取得した外国人看護師を採用しています。早晩外国人人材なくして日本の医療介護が維持できない状況になることは明らかです。

私たちはアジアとりわけASEANとの医療介護における交流を行うことで、日本の医療や介護の良いところを提供し、進出した国々に貢献するとともに、海外からの人材を確保し日本の医療介護システムを守る必要があります。既に少なくはない医療従事者が海外で活躍していますが、私たちヘルスケアアジアもその一翼を担い、できるだけ多くの医師や医療・介護従事者とともにASEANとの関係強化を図り、ASEANそして日本における医療介護の小さな架け橋となることを以て社会に貢献したいと考えています。多くの医療関係者、そして医師、看護師、コメディカル、介護従事者の参加を期待しています。

ヘルスケアアジア株式会社
代表取締役(CEO) 近藤 正明